名もなき毒

著者 :
  • 幻冬舎 (2006年8月1日発売)
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本棚登録 : 4264
感想 : 694
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「昨日がなければ明日はない」をふと手にとり面白かったので、シリーズの最初から読み始めた。
シリーズ2作目、自分には3冊目。
順番通りに読めていないが、なるほど、あれはこれが始まりなのか、という読み方が出来てこれはこれで面白い。
物語の軸になっている事件は、もしかすると自分の日常に起こり得る身近なものであり読むのが苦痛になりそうなものだが、作者の力量のおかげで一気に引き込まれどんどんと読み進められる。
その事件以上に、登場人物それぞれの家族の在り方に心を持っていかれてしまった。我が子が違う方へ育って行く際の親の悩みは計り知れないが、子もまた親に振り回される立場であり、家族が平穏で無事に毎日を過ごすことがいかに難しいかを考えさせられた。
読後感はそう悪くないが、普通とはどういうものかという課題、そして、彼女の真実は結局どこにあったのかという謎、そして自分が毒になりえるという恐ろしさが残った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年11月26日
読了日 : 2020年11月26日
本棚登録日 : 2020年11月25日

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