彼女について

  • 文藝春秋 (2008年11月13日発売)
3.55
  • (99)
  • (181)
  • (244)
  • (42)
  • (11)
本棚登録 : 1284
感想 : 261
5

このお話で、不思議と心が暖まり、優しい気持ちになったという人は、数少ない共感者かもしれないです。お互いが、お互いの。

私はとても、ほっとした気持ちになりました。生きてる間にこのお話に出会えてよかった。

どこか現実味のない少女のような主人公が、恐ろしくて悲しい過去を、子供の頃に一緒にいた男の子と振り返っていくお話。その中で次々と明らかになる、ショッキングな出来事。でも、その出来事よりも、登場人物の内面に起こっていることが、手にとるようにわかる感じがしました。

私はどこかいつも、自分がふわふわと浮いていて、みんなと同じ人生を歩めないように感じていることがあります。
それが苦痛だった20代だけど、30代になって、それを受け入れはじめている自分もいます。

目に見えない大切なものを。人の気持ちを。自分の受け取る力を育てることの大切さを。

普段気にして生きていること、それでいいんだよ。って言ってもらえたような本でした。

星5つ!
(37歳にて読了)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年12月16日
読了日 : 2023年12月16日
本棚登録日 : 2023年12月16日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする