新しいウイルス入門 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2013年1月18日発売)
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本棚登録 : 290
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本書のサブタイトルも簡易目次もネットには見当たらない(講談社とか紀伊國屋書店とかAmazonとか、がんばってほしい)。


【書誌情報】
製品名 新しいウイルス入門
著者:武村 政春(タケムラ マサハル)
発売日 2013年01月18日
価格 定価 : 本体1,000円(税別)
ISBN 978-4-06-257801-1
通巻番号 1801
判型 新書
ページ数 240
シリーズ ブルーバックス

 生物進化にウイルスが深く関わっていた?
 ウイルスのイメージは変わりつつある。ウイルスが生物のゲノムの中に入り込み、生物の進化にとって重要な役割を果たしてきたことが明らかになってきたからだ。
 さらに巨大ウイルスの発見で、ウイルス研究は新段階を迎えた。ウイルスとはどんな形をし、どんな種類があり、どんな働きをしているのか。
インフルエンザやノロウイルスといった身近な存在に触れながら、新しいウイルス像を解説する。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194762


【目次】
はじめに(武村政春) [003-005]
目次 [006-011]


プロローグ 発見された巨大ウイルス 013


第一章 生物に限りなく近い物質 19
1-1 ウイルスの形 020
  ウイルスは生物ではない?
  核酸
  タンパク質
  ウイルスの一般的な形と大きさ
1-2 ウイルスの種類 033
  ウイルスの分類
  DNAウイルスとRNAウイルス
1-3 ウイルスの生活 040
  ウイルスはどこにいるのか
  ウイルスもやっぱり水の中にいる
  “食べられて”生きていく生物


第二章 ウイルスの生活環 49
2-1 ウイルスの増殖 050
  六つのステップ
    ①吸着/②侵入/③脱殻/④合成/⑤成熟/⑥放出
  ウイルスは潜伏する
2-2 ウイルスと「セントラルドグマ」 066
  DNAとRNA
    ①DNA/②RNA
  セントラルドグマ
    ①転写/②翻訳
  ウイルスとセントラルドグマ
    ①DNAウイルスの「合成」/②RNAウイルスの「合成」

コラム1 役に立つウイルスたち(その1) 〜医療分野で用いられるウイルス〜 080
  遺伝子治療
  ワクチン


第三章 ウイルスはどう病気を起こすのか 083
3-1 ポックスウイルスと天然痘 084
  ジェンナーと種痘
  ポックスウイルスの構造と種類
  天然痘とその発症メカニズム
3 - 2 風邪のウイルスたち 092
  やぶ医者と風邪
  ピコルナウイルスの構造
  ピコルナウイルスの“悪さ”
  ライノウイルスの感染と風邪の症状
  胃腸炎とノロウイルス
  占いよりも信憑性の高い話〜ノロウイルスと血液型〜
3-3 インフルエンザウイルスと突然変異 104
  インフルエンザウイルスにはタイプがある
  インフルエンザウイルスの「亜型」
  パンデミック(世界的大流行)とエピデミック(小規模な流行)
  インフルエンザウイルスの構造
  インフルエンザウイルスの生活環と病原性
  インフルエンザウイルスと突然変異 〜修復されないミスコピー〜
  インフルエンザウイルスと突然変異 〜組み合わせが変わる〜
3-4 エイズウイルス、そしてエマージングウイルス 121
  ヒトT細胞白血病ウイルス
  ヒト免疫不全ウイルス
  エマージングウイルスとは何か
  さまざまなエマージングウイルス
  ウイルスは生物とともにある

コラム2 役に立つウイルスたち(その2) 〜工業分野で用いられるウイルス〜 137


第四章 ウイルスは生物進化に関わったのか 139
4-1 哺乳類の進化におけるウイルスの役割 140
  生物の進化とトランスポゾン
  レトロウイルスから遺伝子への進化
  胎盤
  胎盤の形成に関わる遺伝子
  生物進化に関わったウイルス


第五章 ウイルスの起源 153
5-1 ウイルスはどう誕生したか 154
  もともとは細胞だったという仮説
  細胞内の自己複製分子がウイルスになったという仮説
  細胞とは別個に誕生したという仮説


第六章 巨大ウイルスの波紋 163
6-1 生物により近いウイルス 164
  巨大ウイルスの“先駆者”クロレラウイルス
  ミミウイルス
  ミミウイルスの構造
  ヴァイロファージ


第七章 ウイルスによる核形成仮説 177
7-1 ウイルス工場と細胞核 178
  ウイルス工場とは
  第二の核
  DNAポリメラーゼの分子系統樹
  DNAボリメラーゼαは“共生”したウイルス由来か
  ウイルスによる核形成仮説
7-2 細胞核とDNAウイルス 188
  細胞核とDNAウイルスの共通点
  ウイルス的な細胞核


エピローグ 結局、ウイルスとは何なのか 195
  さらに巨大なウイルスの発見
  ウイルスと生物との境界線はなくなるかもしれない
  ウイルス粒子と生殖細胞
  生物の本当の姿、ウイルスの本当の姿
  ウイルスが生きる世界と、生物が生きる世界

役に立つウイルスたち(その3) 〜食品分野で用いられるウイルス〜 212


おわりに(二〇一二年 冬 東京・神楽坂にて 武村 政春) [216-219]
参考図書 [220-223]
さくいん [224-228]



著者:武村 政春[たけむら・まさはる] (1969-) 生物教育学、分子生物学、複製論。
カバー装幀:芦澤泰偉・児崎雅淑
目次・章扉デザイン:中山康子
本文イラスト:永美ハルオ
カバー・本文写真:PPS(図1、図18〜21、図23〜24、図30〜32、図40)
本文図版:さくら工芸社

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 460.生物学
感想投稿日 : 2020年8月21日
読了日 : 2021年6月15日
本棚登録日 : 2013年8月25日

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