本書は暗黙知の定義に始まり、それが新しい知を創造するシステムであることが説明され、最終的には生命の進化を司る基本原理というところまで議論を進めている。
単に言葉に表されない知識というだけでなく、生命の進化、人類の倫理、科学の自律的発展という大きなテーマに関連づけるところに、哲学者マイケル・ポランニーの野心を感じる。本文150ページ程度なので、時間のある人は是非読んでみてほしい。
マイケル・ポランニーはスターリン主義に心底ウンザリして暗黙知の研究に取り組むようになった。現在我々は資本主義の負の側面に心底ウンザリしている。マイケル・ポランニーのような偉大な哲学者が新しい思想を展開してくれることを期待する。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
思想
- 感想投稿日 : 2021年11月28日
- 読了日 : 2021年11月28日
- 本棚登録日 : 2021年10月5日
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