子どもの頃から抱く「バッタに食べられたい」という奇妙な夢を叶えるため、いや、バッタに被害を防ぐためにアフリカのモーリタニアまでやって来たものの、待てど暮らせど肝心のバッタの大発生は起こらず、仕方ないのでゴミムシダマシの研究に浮気をしたり、更には野生のハリネズミを飼い始めるなどする著者においおいと突っ込みを入れたくなる。
やがて無収入者となった著者の姿に、読んでいるこちら側としても大丈夫かしらと段々に不安になってきた。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり、いや、「幸運の女神には前髪しかない」的にチャンスをものにできたのは、偏に著者の行動力あってのことだろう。それが周りの人々をも動かし、運命を好転させたのだと感じ入る。
日本からはるか離れたアフリカに単身乗り込み、研究者として自立できるどうかと将来に不安を抱きつつも孤軍奮闘する姿に勇気をもらった思いがする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書
- 感想投稿日 : 2021年6月21日
- 読了日 : 2021年6月20日
- 本棚登録日 : 2021年3月31日
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