ワイルド・ソウル 下 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年10月28日発売)
4.26
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本棚登録 : 1997
感想 : 175
5

ブラジル移民の衛藤、ケイ、松尾、山本の4人が、杜撰なブラジル移民政策を先導した外務省へ報復を行うハードボイルド小説。ブラジル移民政策がこんなに杜撰なものだったとは、、、知らなかった自分が恥ずかしい。
下巻の主役は、ケイ、日本で宝石商を見せかけた麻薬売人の松尾、元アナウンサーでジャーナリストの貴子。外務省襲撃のみだけでなく、当時移民政策に関わった3人の青木ヶ原樹海への拉致拘束もあり、メッセージ性に厚みを加える。とにかく、ケイのラテンな個性が素晴らしいし憧れる。意識高めだが、性格がまっすぐで迷走し苦悩する貴子にも共感できる。
山本の最期は残念だったが、ケイ、高速からダイブした松尾、そして貴子、終わり方もサイコーによかった。
素晴らしい作品に出会えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月6日
読了日 : 2017年8月6日
本棚登録日 : 2017年8月6日

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