森と氷河と鯨: ワタリガラスの伝説を求めて

著者 :
  • 世界文化社 (1996年12月1日発売)
4.29
  • (35)
  • (14)
  • (16)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 165
感想 : 14
4

彼の本を読んでいつも思うことは、「消えゆくものに対する慈しみ」に満ちているということです。私が彼の著書に惹かれる一番の理由もそこにあるように感じます。
アラスカの大自然とそこに生きる人々、その大地と人間が背負ってきた歴史(=物語)に寄り添って、それを記録(自分の言葉と写真)にとどめること、それが彼のライフワークでしたが、この「森と氷河と鯨」が彼の最後の作品となりました。
カムチャッカで野営中クマに襲われたことは、当時新聞で読んで知っていましたが、それはワタリガラスの伝説(=アラスカに生きる人々のルーツ)を求めてアラスカからシベリアに渡った旅の途上だったことをこの本で知りました。彼の人生そのものがアラスカをめぐる物語のひとつだったように感じてしまいます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年8月21日
読了日 : 2014年8月11日
本棚登録日 : 2014年8月11日

みんなの感想をみる

ツイートする