ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2007年1月27日発売)
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感想 : 76
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ザ・ファシリテータ続編
面白かったですが、ストーリとしては1作目のときほどの臨場感はありませんでした。

本作も前作同様ストーリー形式でファシリテーターを語っていきます。本作では、2つの会社の改革をほぼ同時進行のような形で語られていきます。
今回の新しい会社での改革についてが、ちょっと臨場感薄い感じです。いわゆる教科書的な流れを感じてしまい、前回のようなHOWの部分があまり感じられませんでした。
前半はよかったのですが、後半がちょっといまいち。

とはいいながらも、いろいろ勉強になるところが多いのは間違いありません。とりわけ、今回の事例は、研究開発、技術開発での改革が盛り込まれており、身につまされる思いでした。
さらに、ファシリテーションの技術的なところでは、冒頭の「解けない問題を解ける形に変換する」はとても好例!
愚痴を解ける問題に変換する。そして解ける問題になればモチベーションがあがって取り組むようになる。すばらしいし、その変換スキルをもてるようになりたいです。
前半部分でのファシリテーションとは、といったところもわかりやすくてGOODでした。
変革ファシリテータの要件
・高い目的意識
・楽観力
・システム思考力
・変革のプロセスに関する知識と経験
・前向き:対立のエネルギーを遠心の糧に変換する気力
・未来志向:過去にこだわらない
・外向き:顧客志向
・行動力
・自分たちを客観視する力
と語られています。

そして、変革を進めていくのに一番重要なのはやはり危機感の共有、危機感の共感。これなしには動いていかないんだなって改めて思いました。

ちょっと面白いなとおもったところは組織の知能指数を上げる話。
「小学生の生徒を集めてきて、いくらファシリテートしても高校生の問題は解けない。しかし解きたいのは高校生の問題。どうしたらよいのか?」
に対するファシリテータの答えは
「提案し、考えさせる」
そして、その出された提案もはっきりとだめだしをする。リーダが決定して命令して組織を動かしていくよりも時間がかかるが、これをやることで人を育て組織の知能指数をあげていく。強いリーダシップに率いられた組織は早くて強いが脆く、リーダの限界を超えることができない

これ、考えさせられる話だとおもいます。

ということで、やはりためになる物語でした。
じっくりと、何度も読む必要があるかなとおもいます。

こちらもお勧め!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2016年3月27日
読了日 : 2016年3月26日
本棚登録日 : 2016年3月26日

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