平たく言えばオーケストラにまつわる蘊蓄本。ソナタとコンチェルトとシンフォニーの違いを初めて知ることができた。
最初にわかりやすく、「ステージマネージャー」「インペク」など、オーケストラの裏方のことを説明してくれるので、おもしろかった。楽器ごと、作曲家ごとの特徴、指揮者とは?という項目もあるけれど、これらがもし最初に来ていたら、この本への好奇心は半減していたかもしれない。編集の妙、順序の裏切り。
素人として意外に思ったのは、オーケストラにおけるピアノがあまり評価されていないこと。コンサート中にも刻々とこまかい調律が必要な他の楽器に比べて、事前の調律師の仕事がすべてで、いったんコンサートが始まったらチューニングできない。このため「融通の利かない」楽器と位置づけられてしまっているのが、新鮮と言えば新鮮だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書
- 感想投稿日 : 2010年5月6日
- 読了日 : 2010年5月6日
- 本棚登録日 : 2010年5月6日
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