「時間」の作法 角川SSC新書 (角川SSC新書 118)

著者 :
  • 角川マーケティング(角川グループパブリッシング) (2011年3月10日発売)
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感想 : 32
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文学者というイメージと著者の風貌からコンピュータは無縁の,紙メモ術とかノート術とかそういった内容を勝手に想像していたが,著者は実は20年以上のパソコン使用歴があり早くからメモの電子化を実行していたというから驚きだった。

本書には昨今話題のライフハック本として読むこともできるが,随所に散りばめられた時間短縮術はクラウドサービスを使うとか,ツールを使うとかいった技巧的なものではなくいたってシンプルであり,自分にはそれほど魅力的ではなかった。むしろ著者の「時間がもったいない」という視点がユニークであり面白い。例えば病気は最大の時間損失だとしている。これは著者が物書きを生業としていることから病気・入院イコール無収入となり,生活がかかっているかということもあるが,物書きでなくても大きな時間損失となることは他の職業の人についても言えることである。そして最大の時間損失をしないために,マスクを二重にするとか,飛行機は絶対乗らない,最悪のらなくてはならないときには毛布を頭からかぶって風邪の感染を防ぐとか,徹底的な対策を実行する。

「時間がもったいない」という思いが強ければ強いほど,普通我々が気づかないところにも時間の無駄を見出し,時間を節約できる。時間節約術にばかり目を向けるのではなく,原点に立ち返り何が時間の浪費につながっているか,今一度考え直したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月29日
読了日 : 2012年4月1日
本棚登録日 : 2023年11月29日

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