最初はミアちゃんの「奇形」という設定を見て、「ああ、こういう人は常に人の悪意に晒される、っていうことなのかな?」とのんびり読んでいたけど、その後は文章がものすごい勢いで私の中を駆け抜けて行った感じ。読んでいる間はこれが傑作か駄作か判断する暇もなかった。
でも、この小説を読んだら、「悪」とは何なのか、誰もが考えてしまうのではないか。
「世の中善悪二元論じゃ語れないよね」なんて、そんなありふれた知ったかぶりはくそくらえだ。誰にでも当てはまる答えなんてはじめから期待してない。そんなものがないことくらい、分かりきっている。お前にとっての「悪」とは何かを聞いているんだ。――そんな問いを差し向けられたような気がする。その問いに、わたしはまだうまく答えられない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学:平成
- 感想投稿日 : 2013年7月13日
- 読了日 : 2013年7月9日
- 本棚登録日 : 2013年7月9日
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