「悪」と戦う

著者 :
  • 河出書房新社 (2010年5月17日発売)
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本棚登録 : 696
感想 : 132
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 最初はミアちゃんの「奇形」という設定を見て、「ああ、こういう人は常に人の悪意に晒される、っていうことなのかな?」とのんびり読んでいたけど、その後は文章がものすごい勢いで私の中を駆け抜けて行った感じ。読んでいる間はこれが傑作か駄作か判断する暇もなかった。
 でも、この小説を読んだら、「悪」とは何なのか、誰もが考えてしまうのではないか。
 「世の中善悪二元論じゃ語れないよね」なんて、そんなありふれた知ったかぶりはくそくらえだ。誰にでも当てはまる答えなんてはじめから期待してない。そんなものがないことくらい、分かりきっている。お前にとっての「悪」とは何かを聞いているんだ。――そんな問いを差し向けられたような気がする。その問いに、わたしはまだうまく答えられない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学:平成
感想投稿日 : 2013年7月13日
読了日 : 2013年7月9日
本棚登録日 : 2013年7月9日

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