確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2015年7月17日発売)
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本棚登録 : 197
感想 : 15
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サブタイトルに、「ギャンブルから未来を決める最新理論まで」と書かれていますが、そういう読み物ではなく、数式をひも解いていって確率を理解しようという、数学を真正面からやる(それも大学レベルまで)本でした。文系のぼくにはかなりきつい。たとえば、最初のところで、金融関係のことば、「コール・オプション」を使った例があるんですが、そこですら小一時間かかって理解しました。そこは数式すらない論理だけの箇所でしたが、ことばが足りないようにも見受けられるし、たぶん、そこだけならぼくのほうがうまく説明できますね。そんな感じで、読み進めていくと、数式がばしばしでてきてもう理解しようという気にもならなくなってきます・・・。ごく初歩的な、基礎の部分だけわかりますが、いざそれらを使って大きなことをやるともうお手上げです。しかしながら、確率には、頻度論的確率、数学的確率、主観的確率、ゲーム理論的確率の四つがあるということを初めて認識しましたし、そのなかでも、頻度論的確率については、パチンコで馴染んでいるようなものなので、大数の法則っていうのも幾分わかりやすかったです。大数の法則は、たとえばサイコロを振って出る目の確率はおのおの1/6ですが、実際に10回くらい振ってみると4の目だけ多く出たり1の目がでなかったりするものですよね。ですが、1万回振った、10万回振った、とやると、1/6の確率にぐっと近づくわけです。それが大数の法則のおおざっぱな説明になります。しかし、こんな複雑なことをやって保険だとか株だとかなりたっているわけでしょう。数学者ってお金に関係のなさそうな職業でいて、いまや一番、儲けそうなな立場なんじゃないですか。競馬で、パソコンソフトを使って何億と払い戻しをする人がいますが、その賭け方なんかは、ゲーム理論的なやりかただと、本書を読んで感じました。
いろいろちまちま賭けて、とにかく少しずつでも増やすやり方ですよね。でっかい資本でもって、少しずつ儲けを出すっていうのは、ぼくもパチンコや競馬で得たギャンブル感ですが、やっぱりそういう方向で金融商品なんかでは儲けるような形なんでしょう。いやー、久しぶりに場違いな本を読みましたが、それなりに得られるものもあったような気がします。limとかlogとか久しぶりにみました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 説明文
感想投稿日 : 2016年4月12日
読了日 : 2016年4月12日
本棚登録日 : 2016年4月12日

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