ポイントは、元の持ち主の力が宿っている、というところですね。現代に置き換えると、たとえば楽天市場で自分の顔を出して商売している人がいるとします。その商品(お酒でも、チャーシューでも、果物でもいいですが)を買うことで、その商売している主人の人柄も買っているような気になることはないでしょうか。すごく気に入った商品であるならば、商品をみると、その主人の顔も思い浮かぶような。そういった感覚って、実はアニミズム的な、この『贈与論』で言われている感覚に近いんだと思っています。
そして、その感覚は主人への敬意を生みます。他者への敬意を持つことは、他者をあまりにぞんざいに扱ったりしないことに繋がる。お互いに敬意を持ちあう社会というものは、成熟した人間関係が望めるかもしれない。それは、コミュニケーションにおいての責任感を生むだろうし、他者への暴力性を弱め、利他の精神を強める意味を持ちそうな気配があります。人と人の関係のあったかみであり、それぞれにいとおしい関係、それが望めそうだということです。
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- 感想投稿日 : 2014年9月11日
- 読了日 : 2014年9月11日
- 本棚登録日 : 2014年9月11日
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