海の底の考古学

  • 舵社 (2010年3月20日発売)
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 16
感想 : 3
3

好きでやっている人の旺盛な好奇心と知識欲と、そして僕が知らない分野のトピックということもあって、筆者による読みやすい文章から受けるそのワクワク感が、読み下していくときの満足感を与えてくれるようで、全体的に好ましく感じられました。タイタニック号のことについてや、クレオパトラの神殿についてのことなど、遺跡や難破船として有名なものも扱いますが、よく知られていない、文献に登場すらしない沈没船なんかにも言及していて、しかし、驚いたことにそんな名も知れぬ船に積まれた陶磁器や金の延べ棒や銀貨などの量のけたたましさといったらありません。かなりの財宝になります。そんなにまでのお宝を海上で輸送していたんだなあと、暗い歴史観に現実性の光がさしたくらいです。だからこそ、中世には海賊稼業が跋扈したんでしょうね。海賊で豪華な生活ができるくらい、海上にはお宝がすーっと通りすぎていったんでしょう。武装商船というものがあっても、きっと負けたんだろうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2015年2月26日
読了日 : 2015年2月26日
本棚登録日 : 2015年2月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする