一億三千万人のための 小説教室 (岩波新書 新赤版 786)

著者 :
  • 岩波書店 (2002年6月20日発売)
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感想 : 139
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高橋源一郎による、小説とは何か?を解説した本


以下、公式の概要
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世の中には小説の書き方に関する本があふれている。そういった本の読者の大半は、小説を書きたい、あわよくば小説家になりたい人だろう。しかし、本書の「少し長いまえがき」の中で、高橋源一郎は早々に断言する。「わたしの知っている限り、『小説教室』や「小説の書き方」を読んで小説家になった人はひとりもいません」。なぜか。「小説家は、小説の書き方を、ひとりで見つけるしかない」からだそうだ。
しかし、著者は小説家志望者の夢を打ち砕こうとしているわけではない。この本は、標題どおり「1億3000万人のための」小説教室なのだ。「小説を書く」という作業の前に、「小説の書き方をひとりで見つける」方法を手とり足とり、教えてくれる。

小説は「つかまえる」ものであること。小説と「遊ぶ」こと。まねることから始めること。小説の世界に深く入ること。そして最後に、自分の小説を書きはじめること。著者の後について「小説を書く旅」に出た読者は、今まで気づかなかった小説のおもしろさに気づかされる。書くよりもまず、読んでみたくなるはずだ。そして、著者の教えどおり、まねをしたくなる。

要するに、本書は「小説(を楽しむための)教室」でもある。その意味では、小説家になりたい人が目を通すべき実用の書といえる。音楽を好きな人が音楽家になり、スポーツの好きな人がスポーツ選手になるように、小説を書くためには小説を深く、楽しめることが前提だ。この本を読むと、小説がますます好きになるはず。文章の巧拙やプロット、キャラクターづくりのテクニックを越えた、小説の魅力に目を開かせてくれるからだ。(栗原紀子)
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元々は子供向けの講座で話した内容を、新書向けに再構築したもののようだ

その子供たちが書いたという小説が冒頭に記載されてあって、確かに小説でしたねぇ

小説をかくとはどういうことなのか?

「すべての傑作といわれる小説は、その小説家が、最後にたったひとりでたどり着いた道、その道を歩いて行った果てにあります。そんなのを書く方法なんか、だれも教えられるわけがない」
概要でも説明されてあるけど、小説は自由なものなので、一人ひとり書き方が違うわけで
なので教えられるようなものではないんだよなー
なので、「一億三千万人のための」は、全員共通の方法という意味ではなく、個々での見つけ方指南という意味なのでしょうね



小説をボール遊びに例え、ボールを追いかけ、戯れて遊び、「掴まえる」事が重要だという
速いボールや変化球であっても「掴まえる」ためには、まずはそれを好きでいなければいけない

その次は「まねる」
自分が面白いと感じたボールの投げ方、つまり文章の書き方を真似る

要は、小説の書き方と言いつつ、小説の楽しみ方を説いているように思われる
もしくは、小説への向き合い方、かな?


詩は、作者が詩として向き合っていれば詩
小説は確固たるものがなく、自由なもの
言葉を使う表現の中で一番ルールに縛られない自由なもの

だから、全ての人が自分にしか書けない小説を書くことができる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年12月7日
読了日 : 2023年11月28日
本棚登録日 : 2023年12月7日

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