老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2015年2月6日発売)
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本棚登録 : 395
感想 : 67
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2016年3月8日読了。振り込め詐欺の手口と対策を知りたくて軽い気持ちで読み始めたのだけれど、その手の込んだ巧妙なやり口と組織化された内情に驚いた。劇場型詐欺は知ってたけど高齢者の個人状況を下調べした名簿まで作られてるなんて…そりゃ騙されるわ。詐欺だと分かっていても被害者の恐怖心を煽ってお金を払わせる自信があるなんて恐怖でしかない。しかしこういった詐欺現場の詳細な状況以上に、金を持った高齢者はもはや人とも思えないとまで思わしめる若者達の心の内にある停滞感・閉塞感・失望・諦観の強さに慄いた。老人喰いは決してなくならないのは確かだと思う。明日は我が身、心して備えようと思った。ただ、プレイヤーである彼らの圧倒的なモチベーションの高さは見習いたいところもあるなと正直思ってしまった。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年3月8日
読了日 : 2016年3月8日
本棚登録日 : 2016年3月8日

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