鋼鉄の騎士 下巻 (新潮文庫 ふ 18-3)

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  • 新潮社 (1998年2月1日発売)
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革命は富の濫費に対する反抗だが、それは生への濫費という前近代的感覚、万有の精神がなければありえぬ。人は革命であれレースであれ、その万有の快楽の極まりを見る。

行動する人間は全体を展望することができない。しかもこれは静謐な全体ではなく、揺れ動き、盛り上げ、熱狂し逸脱する危険な全体なのだ。(三島由紀夫)

善という道徳の目標は、過剰を惹き起こすきっかけになりはするが、過剰それ自体とは異なっている。(ジョルジュバタイユ)

革命とは。人は奇蹟を求めると同時に、期待したものが何物でもなかったものへと解消されていく無の瞬間を味わいたい。理念という魔物、その達成という栄冠に情熱を捧げる自分であって自分でない瞬間を人間という生き物は求める。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年8月30日
読了日 : 2021年8月30日
本棚登録日 : 2021年8月30日

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