想像と違い面白く、変わった雰囲気の小説だった。「勤労感謝の日」に出てくる女の主人公は、はなはだ気が強く、乱暴で口が悪い。メーカーの総合職に就いた女性などというのは、こんなものなのだろうか。「沖で待つ」も変わった筋書だったが、こちらはちょっとホロッとさせられる人情話的な部分もある。「みなみのしまのぶんたろう」はほぼひらがなだけで書かれていて、主人公の男は何となく石原慎太郎を思わせる人物。大臣だったのが原発のある離れ小島に飛ばされて、魚と話ができるようになる。
どの作品にも共通しているのは、世間を小馬鹿にしたような斜めの視点とユーモアだ。この文庫本に併載されている三作だけかも知れないが、どれも短く、あっと言う間に読み終えてしまった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
電子書籍
- 感想投稿日 : 2014年3月12日
- 読了日 : 2014年3月12日
- 本棚登録日 : 2014年3月10日
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