冒頭のシーンから「これだ!」という感じがした。
武勇をうたわれたジンネマン家の領地である哀愁を帯びた草原に佇む兄と弟の姿は冒険の予兆そのものだ。
ふるえるような予兆と避けがたい因縁、ハードカバーの正統派ファンタジー小説はこうでなければならない!(と、個人的に思っている)
主人公ボリスは徐々に成長し一人で生きていくことを覚えるが、それは同時に己を閉ざすことでもあった。
命をかけてボリスを守ろうとするイェーフネンの献身と清廉さ、また剣の師であるウォルナットとの愛情に満ちた交流は落涙なしには読めない。
「情けない奴だ!」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
外国の小説
- 感想投稿日 : 2010年7月30日
- 読了日 : 2010年7月25日
- 本棚登録日 : 2010年7月7日
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