東京大学応援部物語 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2007年10月30日発売)
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思わず硬派ではないオレも、目頭にウルッときた・・。

いたなあ・・こういうヤツラ。ガクランをこよなく愛する熱血の男たち。



大学に入ってから、最初に授業の説明を受ける際に教室に妙な違和感があった。

それはガクランを着ている連中が教師のサポートをおこない、やたら声のデカいこと。

テキパキと働く彼らと、受験勉強をやっと潜り抜けて大学に入り、ボーッとしているオレたち。

同じ大学生なのに、随分と違うものだ・・あいつら何なんだ?

なんであいつらは、大学に入ってまでこんなことしているのだろう?そう思った。



オレも東京六大学のはしくれであったため、神宮の大学野球は何度か行った。

応援団の統率の取れた応援方法には、別の楽しみがあった。

野球部のチャンスに水をかぶり、声をからし、ガクランの汗が塩となり白くにじむ。

そして負けたら、大学まで走って帰るという・・。



就職する際に、応援団やスポーツ部の連中は会社ウケするし、就職に有利だという話をよく聞いた。

しかし、だからといって運動部に入ろうとは1回も思わなかった。

大学に入っても、自由が無いし、理不尽なことで先輩に殴られるわ・・

そんな4年間を過ごすなんてバカバカしい・・そう思っていた。



ナンパな4年間の大学生を送ったオレ。

しかしそんなオレも、心のどこかではそこまで一つのことに夢中になれる彼らをうららましく思っていたのか。

この本の途中途中で、ちょっとグッとくるシーンが何度もあった。

自己犠牲の姿は決していいものではないかもしれないが、感動を呼ぶ。



でももう一度大学生活を送れることになったとしても・・やはり、応援団には入らないと思うけど(笑)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2007年11月19日
本棚登録日 : 2007年11月19日

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