まぼろしの薬売り

著者 :
  • あかね書房 (2012年6月1日発売)
3.25
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本棚登録 : 98
感想 : 17
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江戸から明治にかわってまもないころ、まだ田舎では江戸がおわっていないようなそんな時代が舞台のファンタジー。
(という設定が書いてあるけど、地の文以外では感じられない)
よっつの話がある中のふたつめまで読んだ。

児童書というよりはラノベ。
絵が漫画っぽいのはともかく、設定もストーリーも文章レベルも悪い意味でラノベっぽい。
漫画やラノベだけを読んで育った中学生が、萌える設定を拾い集めて趣味でネットに書いてそうな話。
萌えに特化したって趣味に走ったっていいんだけど、それしかないからスカスカしてる。味も香りもないでがらしみたいだ。
これは栄養にならないや。

全体的に、「時代考証が面倒だから時代劇風ファンタジーにしました」みたいな、基本がなってない人のごまかしを感じる。
文章もまるで作文。目につくひどさはないけれど良さもない。
たとえばりんごがあったなら「りんごがあります」と書くような、工夫のない表現がつづく。


一話の印象は「可愛い子犬を拾ったけど予想外に大きくなっちゃって飼えないので山に返します。自然の中でたくましく生きてね」
安易な返還に映画の外の「フリーウィリー」を思い出した。あのシャチはファンに「殺された」んだよな。

絵はかわいいけど漫画。
ファンタジー漫画ですと言われたら読みたいけれど、設定どこいった?

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書・絵本
感想投稿日 : 2013年1月6日
本棚登録日 : 2013年1月6日

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