ボリス・ヴィアン全集〈4〉北京の秋 (1980年)

  • 早川書房
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感想 : 2
4

砂漠に鉄道を引く物語。
もちろんこれは間違いではないのだけれど、この小説の中身を表すには全く言葉が足りていない。
構造は分かりやすくて『うたかたの日々』よりも個人的には読みやすかったのだけれど
登場人物が多く、複雑な関係が展開したかと思えば、重要そうな人物がほとんど描写されなかったり
細かなエピソードが入り組んだ、内容をまとめるのがとても難しい小説だ。
どれかひとつに注目しても取りこぼすものが多すぎるし、網羅するにはややこしい。
感想らしい感想すら書かせてくれない。不思議な小説だ。
砂漠の砂をふるいにかけて、残ったライオンが考古学者で小石がアンジェルなのか。
表現はちょっと下品でそこがまた笑えたりするのだけれど、「いやー面白かった」だけではすませたくない
何回も読み込んで理解してやりたい! と悔しさがふつふつとわいてくる。
まぁ、でも敢えて言うなら恋愛小説になるのかなぁ。
こじれにこじれた三角関係とその周辺でばたばたと消えていく命
そしていつの間にかドミノ倒しのように死がこの関係にも迫ってくる。
『うたかたの日々』とところどころリンクしているところも、仕掛け探しをする楽しみがあった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2009年10月16日
読了日 : 2009年10月16日
本棚登録日 : 2009年10月16日

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