滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年6月15日発売)
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感想 : 65
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p.23 最後 滝山コミューンの定義
p.179 最後 筆者の違和感

どこまでが事実で、どこからが自分の意見なのかということを明確に分けて書いているため、わかりやすい

民主主義という名のもと、教師主体の権威主義が横行していた1974年の滝山団地を切り取り、筆者の問題意識を検証する形で進むノンフィクション。圧倒的な資料をもとに一つ一つ丁寧にその時代を形作っていくプロセスは、研究として素晴らしいと言わざるを得ない。また、過去の事実の中でも特に自己の関心がある部分に焦点を当て、議論を進めることに客観性の欠如があることは認めながらも、まさに当時を生きた自分こそ社会であるとしたスタンスにも共感する。
自分が小学生の頃、このような民主主義という名のもと権威主義は横行していなかったか、もしそうだとしたら自分はそれに違和感を感じていたのか、改めて問いたくなる著書であった。
また、改めて教育とは、生徒と教師だけでない、多くの人々の影響、時代背景を現実へ映すものであると実感した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2018年6月21日
読了日 : 2018年6月21日
本棚登録日 : 2018年6月21日

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