新釈 グリム童話 ―めでたし、めでたし?― (集英社オレンジ文庫)

  • 集英社 (2016年3月18日発売)
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感想 : 22
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六編のグリム童話を下敷きにした物語。
トップバッターは、谷瑞恵の『ルンペルシュティルツヒェン』。
海外ドラマ、「Once Upon a Time」で知った、ルンペルシュティルツキン。
シーズンを重ねて、私はだいぶ馴染みになったが、日本ではそこまでメジャーな主人公ではないかも。
しかしあえて彼を選ぶことで、新鮮さがあってよかった。
彼が紡ぐと言う、金の糸の先に美しい未来が見え、読後がよかった。

『二十年』は『カエルの王様』がモチーフ。
これは、ホラーだ......。
特に、容姿に自信のある女性にとっては。
いや、一人で生きていくと言う覚悟があれば、あるいは、それを楽しめれば、美の呪いなど恐るるに足らず。
しかし、現実を見ようとせず、過去にとらわれ、王子様を待ち続けるだけの女性なら、それは......。

『A Cinderella Story』はそのまま、シンデレラの物語。
優しい人が必ずしも良い人ではない。
現代のシンデレラは世間知らずのお嬢様。
さて、ガラスの靴を拾ってくれるのは一体誰?
古いお姫様像に縛られていたのは誰?
それを手助けして、自らの足で歩けられるようにしてくれるのは、誰?
さながら最近のディズニー映画のよう!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2018年6月16日
読了日 : 2018年3月8日
本棚登録日 : 2018年6月16日

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