面白くて眠れなくなる数学者たち

著者 :
  • PHP研究所 (2014年6月19日発売)
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感想 : 9
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想像力が世界を作る
数学の世界というものは、突き詰めていけばいくほど深みにはまっていくもののようだ。
一生を捧げた結果、自ら命を絶ったものもいる。
しかし、本来数学は命を奪う魔物ではない。
神秘的な、まさに神の成した世界。
そんな世界の一端に、我々も踏み込んでみようではないか。

数式で示された世界の本当の意味を、私は理解することはできない。
けれども、数学は突き放しはしなかった。
コペンハーゲン解釈、量子力学、万有引力。
この世界に広がる見えない世界のなんと不思議なことか!

数学が本当に苦手でまったくわからない、というならば数式なんてすっ飛ばして、数学者たちが見た世界に着目して見るといい。
私が認識した瞬間に世界ができる、なんて!
日本の数の数えかたのバリエーションの多さに驚いてもいい。
わかる所からわかるものを楽しめばいいのだ。

ネイピア、アインシュタイン、フェルマーなど有名な数学者(厳密にはそうでなくてもここではまとめてそう呼ぶ)の見た世界は整然として、それでいて摩訶不思議としか言いようが無い。

本書で何よりも感動させられたのはアインシュタインの言葉だ。
『「想像力は知識よりも大切だ。知識には限界がある」』
『「我々は何も知らない。我々の知識のすべては小学生と変わらない」』
つまり、アインシュタインが言うのは、想像力こそが学問における重要なこと。
確かにたくさんものを知っていることは悪いことではない。
けれどもたった一人の頭脳には限界がある。
わかっていることだけ、では人生はつまらない。
わからないこと、知らないことに向けて興味を持ち、想像してみることで学問は成り立っている。
そのきっかけの一つとして本書は語りかけてくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年9月5日
読了日 : 2014年8月29日
本棚登録日 : 2014年9月5日

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