屍者の帝国

  • 河出書房新社 (2012年8月24日発売)
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本棚登録 : 3391
感想 : 441
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この作品が完成するまでの伊藤計劃と円城塔の「物語」を知らず『屍者の帝国』を手に取る読者はあまりいないと思うが、もしそういう読者がいるならば、その「物語」を知った上で読むことをオススメする。伊藤計劃と円城塔の「物語」を知っているか否かで、作品に対する評価は違ってくると思う。
しかし、そういう意味においては「物語」を知らない人が読み、抱いた純粋な感想を知りたい気もする。恐らく現時点でブクログやAmazonでレビューを書いてる人は、その「物語」を知った上で読んだ読者であり、良い悪いは別にして、ドーピングをしているようなものだから。

以前、円城塔の『道化師の蝶』を読んだ際に自分の読解力が不足しているだけの話なのだが自分の中に「円城塔=難解な作品を書く人」という構図が出来上がってしまっている。
本作も決して読みやすい作品だとは思わなかったが、素晴らしい作品であることは間違いない。しかし私は一度で全て理解できたとは思わないので、再読の必要がある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年9月2日
読了日 : 2012年9月1日
本棚登録日 : 2012年8月25日

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