全6巻読み終えての感想。
この作者のSF作品は、いずれも特殊な設定で、こんな設定のもとでどんな話を展開し得るのか、展開できたとしてどうやって収束されるのか、とこちらの方が心配になってしまうが、実にうまく終わらせてくれる。
この作品もそうした作品群の一つ。
人類がファントムと呼ばれる謎の存在・・・生物なのか、機械なのかもわからない・・・に襲われ、次々に消失し、今や4人の子供だけが生き残った世界。彼らは状況に戸惑いつつも、高い順応性で日々の生活を淡々と過ごしていく。まるで長い休暇を楽しむかのように。
ファントムの正体、彼ら4人だけが残された理由、時おり出現する謎の人物・・・通常これだけ設定が特殊だと、雰囲気だけで謎は解明されずに終わってしまう作品が多い中、全く謎を残さずに綺麗に解決される。これは素晴らしい。
ゆったりとした時間の流れの中、巧妙に仕組まれた伏線が、最後に ああ、そうだったのか と腑に落ちる。
今 周囲の友人知人に紹介中。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ゆっくり読みたい本
- 感想投稿日 : 2013年8月7日
- 読了日 : 2013年8月7日
- 本棚登録日 : 2013年8月7日
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