紫式部のひとりがたり、という形式をとった、「源氏物語」が書かれた理由、そして、紫式部自身の心情にせまった、「伝記・紫式部」。
読み終えて。偉大な物語というのは、えてして、作者の実像など求めないものなのかもしれないと思った。「源氏物語」は、たぶん大学入試なんかにでてこなければほぼ原文にふれることがない現代人にしたって、おおまなかところのあらすじは知っているのが、「常識」だ。かろうじて。では紫式部がどういう人物だったか、と問われて、ある程度の知識を示すことの出来る人間がどれほどいるか。逆説的には、「源氏物語の作者」レベルの知識しか必要とされていない、ともいえる。
それでも紫式部にせまりたければ、わたしは森谷明子さんが紫式部をホームズ役に描いているミステリ「異本・源氏物語」をお勧めする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション・評論
- 感想投稿日 : 2011年11月23日
- 読了日 : 2011年11月23日
- 本棚登録日 : 2011年11月23日
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