サイゴン・タンゴ・カフェ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2010年1月23日発売)
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本棚登録 : 321
感想 : 30

5編からなる、タンゴをテーマにした作品集。
「現実との3分間」「フーガと神秘」と読んでいくと、これまでの作者の傾向と違って新鮮な感じがした。それはつまりレズビアンものではないというだけのことなのだが。
しかし表題作の「サイゴン・タンゴ・カフェ」はやはり本領発揮。若い女性記者がベトナムで、かつて突然失踪した女性作家を発見するというストーリー。この女性作家が中山氏本人を投影したかのような(物語の中の女性作家は60歳を過ぎているので将来の自分の姿といおうか)人物で、いろいろと邪推してしまった。
全体的には、レズビアンものに抵抗がある人にまず勧めることが出来そうな一冊ではある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中山可穂
感想投稿日 : 2012年9月23日
読了日 : 2010年2月18日
本棚登録日 : 2012年3月24日

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