神は妄想である―宗教との決別

  • 早川書房 (2007年5月25日発売)
3.73
  • (64)
  • (92)
  • (86)
  • (13)
  • (8)
本棚登録 : 1402
感想 : 85
5

多神教の国であり、クリスマスも正月も節操無く商業主義的に楽しんでしまう日本の場合、少々違うかもしれない。
ドーキンス氏の言葉は、正義感の故かところどころ感情的だが概ね言っていることは正しい。

普通に人間が考えるならばややこしいことも、神のせいにすれば正当化でき、人々を屈服させられる。そのことによる弊害はテロから児童虐待まで幅が広すぎるくらいに広い。
つまり宗教やスピリチュアルに傾倒すると、知らぬ間に悪魔じみたことも当然と考え、平気で実行してしまう。オウム(現アーレフ)も、ものみの塔を持って歩きまわる主婦や学生もそうではないか。

日本版では割愛されているそうだが、原著にはこの本を読んで宗教から脱会したい人のための連絡先もついているとのこと。
問題の深さを考えさ得られる。

結局は神やスピリチュアルのせいにせず、最後まで自分で責任を持ち、自分の頭で考えるのがまっとうなのだろう。
そういう意味では、現代日本の精神医学もやり玉に挙げれられるべきだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Pensée, Philosophie
感想投稿日 : 2012年12月4日
読了日 : 2012年11月28日
本棚登録日 : 2012年11月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする