終末のフール (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2009年6月26日発売)
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感想 : 2498
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本作『終末のフール』の感想になります。

宮野優さんの『トゥモロー・ネヴァー・ノウズ』と似た印象を受けました。あちらはタイムループですけど。

伊坂幸太郎さん読了本は『グラスホッパー』と本作の2作だけなので、まだまだ伊坂幸太郎さんらしさを理解できていない私ですが、終末を宣告された世界の小さな町でのエピソードは、どれも柔らかな温かみのある話でしたね。

特に気に入った台詞は『鋼鉄のウール』からの引用で、
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」p220
でしたね。

絶妙な表現だと感じました。
私は日常的に死を意識した生き方をしている訳でもないし、生き方を変えた未来に確信はないですからね。
分からないからこそ、今を大事に生きるんだというメッセージを感じました。

8編の連作短編集ですが、終末を控える人達の様々な生き方は、どこかに共感できる所があり、のほほんとした気持ちで読み終えました。これが伊坂幸太郎さんらしさなのかもですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: レビュー済み
感想投稿日 : 2023年8月9日
読了日 : 2023年8月9日
本棚登録日 : 2023年7月30日

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