キリスト教と戦争 (中公新書 2360)

著者 :
  • 中央公論新社 (2016年1月22日発売)
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感想 : 29
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科学を世界の証拠とする社会に産まれた者として、信者の内面には何か、非科学を説明する理論を持っているのではと考え、キリスト教と戦争という一見矛盾を孕むタイトルからその理論への糸口を見つけたように感じた。
結果として、やはりキリスト教の中にはそのようなものは無かった(良し悪しは置いといて)。
共感より納得を好む性格上、不思議に思えていたのだが、現代社会を俯瞰で見ると少し分かる気がする。

科学の言うことは絶対とし、学校の先生や研究者の言うことを疑いなく信じる科学社会と、識字率が低く聖書が読めない為、聖職者の言うことが絶対だと信じていたキリスト教社会。テクノロジーの差はあれど本質的には何か変わっているのだろうか。
科学は絶対と教育され生きてきたが、果たして我々はその科学を説明できるのであろうか。

AIなどによりクリエイティブの敷居が低くなっており、仕事が奪われるやら実写か生成画像なのかで盛り上がっているが、信仰の対象もこの様なノリで生成される恐れもあるのではないかと考えてしまう。

それが良いことなのか悪いことなのかは、ちょっとよくわかんねぇや。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年7月18日
読了日 : 2023年7月18日
本棚登録日 : 2023年7月2日

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