ひとりの少年が、北海道・岩見沢にある施設「梟の森」を脱走して函館に向かう。事故に遭って重態だという父親に会うために、宗太は一羽のセキセインコ「ルビー」を供に、所持金2000円の旅に出る。
少年の抜け出してきた施設はひどく閉鎖的で、親が危篤であっても児童に知らせないような奇妙なルールに則って運営されている。
少年の逃避行に、「梟の森」の創設者の物語が挟まれる。世界大戦時に悲惨な体験をし、教育に光明を見出した男の物語だ。
絶望をせき止めるために作られた教育施設が、どのような曲折を経て、宗太を縛り付ける邪悪な組織になってしまったのか。
次第、次第に謎が明かされていく。
抽象的な悪魔が現れたり、なんとなくファンタジックな要素も強く、今までの大崎作品とはずいぶん印象が異なる。
今までの作品が好きだった人は、ちょっと面食らいそうだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
不思議なきもちになる
- 感想投稿日 : 2010年2月26日
- 読了日 : 2010年2月26日
- 本棚登録日 : 2010年2月26日
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