三国志(3)(吉川英治歴史時代文庫 35)

著者 :
  • 講談社 (1989年4月11日発売)
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感想 : 97
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愚か極まりない呂布に仕える陳宮の気苦労が会社の使えない上司とその下でやきもきする部下みたいだな、と思ったり、劉備が敵を欺くために「鼻毛を伸ばした」というくだりに、鼻毛が伸びていると侮られるのは今も変わらないかも、と思ったり、ついニヤリとしてしまう。
登場する事物は古めかしくても、何か普遍的に通じるものがある。
とはいえ、英雄、暴君、さまざまな人物が跋扈しては裏切り欺きあい、また衰退していく繰り返しに、ちょっと飽きてきたな、と思っていたところ、関羽と曹操のやりとりに惹かれ、また新たな展開にどうなることやらと気持ちがのってきた。
それにしても、主役の一人である劉備っていまいちわからない人だなぁ。
忠義だけの人かと思えば野心があったのか!とも思うし、及び腰なのか名将なのかはっきりしない。
それに比べると曹操は恐ろしい一面もあるけれど明快でわかりやすい人物で、その明暗がおもしろい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エンターテイメント!
感想投稿日 : 2009年5月21日
読了日 : 2009年5月21日
本棚登録日 : 2009年5月21日

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