サムシングブルー

著者 :
  • 集英社 (2009年6月26日発売)
3.43
  • (24)
  • (69)
  • (100)
  • (16)
  • (5)
本棚登録 : 470
感想 : 98
3

2年間つきあった恋人と別れた翌日に、高校時代の恋人と親友の結婚式招待状が届いた。
結婚を意識する微妙な年頃にさしかかり、別れと招待状のダブルパンチでうろたえる梨香は、高校時代の思い出までも黒く塗りつぶしてしまう。
自分は何が哀しく、何にこだわっているのか。
最初は、「朝が来なければいい」というありがちな感情の吐露やぶつぎりの文章に、いまいち入り込めなかったけれど、終盤の、高校時代の恋人との思い出を振り返るあたりはしみじみ共感できた。
嫌なことがあると、ともすれば楽しかった思い出までなかったことや消してしまいたいことになってしまうけれど、ひとつの躓きがあったからといって、過去は決してすべて汚れてしまうわけではないのだ、と、当たり前のことを思い出した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: せつなくなる
感想投稿日 : 2009年8月24日
読了日 : 2009年8月24日
本棚登録日 : 2009年8月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする