ベンガル語の両親のもとにうまれ、アメリカで英語で教育を受けて育ち、英語で作家になったラヒリ。彼女がイタリア語を学びはじめ、ローマに移住し、イタリア語でものを書くようになる過程。
イタリア語で書かれた小説『わたしのいるところ』は好きだったのだけど、このエッセイはまだイタリア語がうまく操れないからなのか、思っていたより観念的で読むのがなかなかしんどかった。
同じく外国語を学んで海外に住んだ経験もあるので、彼女とイタリア語の距離など共感する部分もあるのだけど、彼女の場合はもうすこし、アイデンティティに関わる何かがあるかな。
ベンガル語も英語もどちらも自分のものではないという、二世が感じがちなある種の疎外感を感じていたラヒリは、自ら好んで学び、魅了されたイタリア語にはその疎外感を持たずに済むのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2021年6月27日
- 読了日 : 2021年6月27日
- 本棚登録日 : 2021年6月27日
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