会社のお金はどこへ消えた?―“キャッシュバランス・フロー”でお金を呼び込む59の鉄則

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  • ダイヤモンド社 (2008年8月29日発売)
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一冊まるまる企業活動に必要なお金について述べられており、多くの企業を見てきた筆者によるノウハウが散りばめられているのであるが、経理に従事している人や社長であれば既知の内容がほとんどである。それゆえ経理を苦手とする営業マンなど向けかと思っていたら、後半「源泉所得税も消費税も納税しているのは会社」「消費税は結局給料+利益に課されている」など、一応実態としてはその通りなのであるが、経理を知らない人には理解しづらく、原則を知らずにこのまま理解してしまうと危険な箇所がある。
参考文献リストは読んだことがあるものもいくつかあるが、チェックしていなかったものもあり参考になりそうだ。
知識としては分かっていても資金繰りに困っている社長や経理関係者が客観的に自社を見るための整理としてはよいだろう。資金不足は利益が赤字であるより恐ろしい。

・運転資金の日数の計算は、在庫回転日数と仕入債務回転日数にそれぞれ原価率を乗じ、(在庫回転日数+売上債権回転日数)-仕入債務回転日数の差で把握する
・キャッシュポジションは売上高の1.5~2.5ヶ月分を目安とする
・粗利に対する管理コストの割合は2%以下に
・借入金の目安は月商の4ヶ月分→年間の粗利に近い→借入金は粗利の範囲内に抑える
・債務償還年数は5年いないが理想。長くても10年以内
・優良企業は短期借入金に対する長期借入金の割合が約2.5~3倍
・利益調整によく使われる在庫計上、売上前倒し、減価償却費の計上不足は利益と資産は増やすがお金は増えない
・社長からの貸付ではなく少人数私募債の形式にすると社債利子は20%源泉分離課税となり累進課税に算入されない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 会計
感想投稿日 : 2011年9月27日
読了日 : 2011年9月27日
本棚登録日 : 2011年2月24日

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