敵の名は、宮本武蔵

著者 :
  • KADOKAWA (2017年2月25日発売)
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感想 : 51
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宮本武蔵と言えば、佐々木小次郎との巌流島の戦いで有名な剣豪としか思い浮かばない私にとって、この本に描かれる宮本武蔵像はなかなか衝撃的であった。いや、武蔵というより、父親の無二の方が衝撃的か。以前の作品の「宇喜多の捨て嫁」と同じく、連作短編を読み進めていく中で、最初に抱いた印象が途中でガラリと変わる。残酷な運命に翻弄されていたのは武蔵でも小次郎でもなく、無二その人だったのかもしれない、と思った。途中、やり切れないほど凄惨な場面が何度となくあるが、最終章はとても清々しく、スッキリとした気分にさせてくれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 著者名(あ~か行)
感想投稿日 : 2017年10月30日
読了日 : 2017年10月30日
本棚登録日 : 2017年10月30日

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