ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年10月25日発売)
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プロローグ 『クラクラ日記』坂口三千代(文藝春秋)
坂口安吾の死後に奥さんが書いた随筆。
著者が銀座に開いたバーの名前。文人の常連が多いお店。
フランス語で野雀の意味。
「この本は好きになれない」と言いながら、なぜ栞子さんが、五冊もこの本を持っているのか大輔は不思議に思います。

第一話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワ文庫NV)
なじみの客となった高校生の小菅奈緒の妹で中学1年の結衣が書いた『時計じかけのオレンジ』の感想文が上手すぎる。と言って奈緒が店に相談に来ます。
栞子は「これを書いた人は、本当の意味で『時計じかけのオレンジ』を読んでいません」と言い放ちますが…。
ラストは栞子さんの隠された一面が判明します。

第二話 福田定一『名言随筆サラリーマン』(六月社)
福田定一は司馬遼太郎の本名で、この本は二十代の頃の体験談をエッセイ風に書き記しているそうです。
古今東西の名言に、軽いエッセイを添えるという体裁の本で、名言は徳川家康の遺訓もあれば、ゲーテの著書からの引用もあり、政治家の発言もあるそうです。
この章では大輔の高校のときの同級生で元カノの晶穂が登場します。おかげで、大輔と栞子さんとの仲が少し進展します。

第三話 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)
大輔がビブリア堂の母屋の二階で見つけた栞子さんそっくりな人物画の人物は栞子さんと文香の母親でした。
この話は須崎という男が持ち込んだ足塚不二雄(藤子不二雄のデビュー当時のペンネーム)の『UTOPIA  最後の世界大戦』につけられたビブリオ堂の(本当は数百万円相当するのに)二千円の値札の謎と栞子さんの母の智恵子にかかわる須崎が語った昔の謎をまたもや栞子さんが言い当てます。

エピローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)・Ⅱ
栞子さんがなぜ『クラクラ日記』を何冊も買うのかの謎を大輔が解明して見せます。
そして、大輔は栞子さんをデートに誘いますが、栞子さんは古書店巡りと勘違いしています。

店の常連さんが時々登場して、栞子さんと大輔の仲も少しずつ進展していき、次回作も楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年1月15日
読了日 : 2020年1月15日
本棚登録日 : 2020年1月11日

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コメント 1件

まことさんのコメント
2020/01/15

麻理さん♪こんばんは!
こちらこそ、いいね!フォローありがとうございます。
こちらは、二つ目の棚だったのですね!
気が付かなくて、てっきり、また、新たに再開されたのかと勘違いしていました(^^♪
別棚の方はコメント欄が開いているのですね。
何か、話題のあるときには、コメントさせていただきますね(*^^*)

私は、今、仕事をしていないので、本を読む時間があるだけです。
麻理さん、本が読めないのですか?
ちゃんと、たくさんレビューされていますよね?凄いです!
今までの、蓄積があるのでしょうか。
どんなご事情があるのかわかりませんが、読めるようになられるといいですね。
今、読書術の本も何冊か読んだばかりなので本当にそう思います。
麻理さんんもお仕事柄、一番よくわかってらっしゃると思いますが。
こんな、私のような拙いレビューでも、楽しみにしていただけてありがたく思います♡

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