ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2013年2月22日発売)
江戸川乱歩の『少年探偵団』のシリーズは私も小学生の時にやはり父に薦められて結構、追いかけて読んだ記憶があります。直美や明のようなマニアではなかったですが。
マニアの方は一稿だとか、二稿だとかにこだわるんですね。
私だったら同じ値段なら新しくてきれいな方がいいと思ってしまいますが。古くて高い方を欲しがるマニアの心理は計り知れないと思いました。
大輔と栞子さんは、いい感じになってきましたね。
このシリーズは7作プラス番外編があるみたいですが、脇役の使い方といいなんといい、今、4話ですが、作者は最初から7話分のプロットを立ててから書いたのかなと思いました。
以下ネタバレですので、これから読まれる方は気を付けてください。
プロローグ
栞子の母の篠川智恵子の『クラクラ日記』を妹の文香が持っていて智恵子にメールを送っていたことが発覚します。
東日本大震災発生後の4月のある日、大輔が一人で店番をしているところに智恵子が姿を現します。
第一章 『孤島の鬼』
智恵子と昔、取引をしていたというキシイロケイコ(来城慶子)の代理人で妹の50代の女性田辺邦代が江戸川乱歩に関する依頼で店にやってきます。
来城慶子の住む家を訪ねますが、慶子は喉の手術をしたばかりで話ができない状態でしたが、邦代の通訳と筆談により、栞子は書名当てのテストで見事に慶子の難問に答え、家にある乱歩の古書を全部譲るかわりに、慶子の恋人で1年前に亡くなった鹿山明の古い金庫を開けてほしいという依頼を引き受けます。
金庫は江戸川乱歩にちなんだ言葉で開く設定になっています。
第二章 『少年探偵団』
栞子と大輔は、元鹿山明の家で今は息子の鹿山義彦の家を訪ねます。そこで栞子たちは、義彦の妹で明の娘の鹿山直美が三年前に離婚して出戻り、今はヒトリ書房の井上のところに勤めていることを知ります。そして井上の妙案で秘密の鍵を握っていると思われる直美が、書斎に着て栞子たちの探し物を取りに来る作戦を立てますが…。
書斎で待ち伏せて隠れていた大輔と栞子は、直美から『少年探偵シリーズ』を嬉しそうに収めて笑っていたという鹿島明の話を聞きだします。
そしてそこに、なんと栞子の母、智恵子が現れます。
第三章 『挿絵と旅する男』
栞子は智恵子を赦していませんが、大輔の運転する車で、一緒に北鎌倉へ。
智恵子は金庫の中には『挿絵と旅する男』の第一稿が隠されているのではないかと言います。
そして栞子は暗号を解読して智恵子より一足先に金庫を開けます。中に入っていたものは『挿絵と旅する男』ではありませんでした。
が、栞子は最後に来城慶子に関する、最大の秘密を言い当てます。
あとから現れた智恵子は「やはり金庫に入っていたのは乱歩の原稿に間違いないはずだから、一緒に追いかけよう」と逃げた慶子を追いかけようと栞子を誘いますが、栞子はなんと「大輔さんとデートの約束があるから」と言って断ります。
エピローグ
智恵子に近況を知らせるメールを送っていたのは文香ではなく他にもいたことが発覚します。
智恵子が家を出て行った原因は本。
正気じゃ手に入らないような、とんでもない古書であるそうです。
- 感想投稿日 : 2020年2月6日
- 読了日 : 2020年2月6日
- 本棚登録日 : 2020年1月11日
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