名取佐和子さんの『金曜日の本屋さん』で紹介されていて、一度読んでいた本ですが、全く覚えていなかったので、読みたくなり再読しました。
恩田陸さんのデビュー作で、ファンタジーノベル大賞候補作。
作者あとがきによると「こんなの二度と書けないと思うし、それでいて既に私らしいところは全部入っているなあと思う」そうです。
ジャンルでいったら、学園ホラーとでも言ったらいいのでしょうか。
学校のとある隠れた『行事』で3年に1回、その年の『サヨコ』が代々、決められ、指名された者は、自分が『サヨコ』であることを悟られることなく、年に一つのすべきことをやりとげることができれば、それがその年の『吉きしるし』でありその年の『サヨコ』は勝ったことになるそうです。
花宮雅子、唐沢由紀夫、関根秋らが三年生になった、その年は『六番目の小夜子』の年でした。
その年の『サヨコ』は既に決まっていましたが、神戸の名門高校からとびきりの美少女である津村沙世子が転校してきてから事件が始ります。
雅子と沙世子はすぐに親しくなり、由紀夫と秋で四人のグループになります。
秋は『サヨコ』の謎をつきとめようとして、沙世子にも疑いを持ちます。
そして、以前の『サヨコ』の一人で交通事故で亡くなった『サヨコ』の名前が津村沙世子であったことを知り、愕然とします。
怖かったです。
津村沙世子とは一体誰なのかと思いました。
一体、どんな謎が隠されているのか。
なぜ、沙世子には超能力があるのか。
悪人なのか、善人なのか。
事件の黒幕は誰なのか。
そもそも事件とは何なのか。
最後まで読むとおおよその謎は解けますが、整った、整合性のあるミステリーではなく、ホラー小説といったほうがいいかと思いました。
怖かったけど、面白かったです。
- 感想投稿日 : 2020年7月5日
- 読了日 : 2020年7月5日
- 本棚登録日 : 2020年7月2日
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