黒い病が流行っている地域にワクチンを届けようとする医師。しかし向かう先で着いた駅馬車には一頭も馬がいなく、しかも吹雪。困っている人々を救うためになんとかできるだけ早く着きたい。駅馬車の近くに車をもった人がいるとのことで、交渉し吹雪のなかワクチンを届けにむかう。
車といわれて想像したのが現実世界で走っている自動車だったのだけど、なんと車を動かすのはガソリンなどではなく小馬たち。50頭の小馬たちをボンネットのなかに整列させて動かす。そして黒い病が流行っている地域にむかう吹雪のなかで様々な足止めをくらう。
ストーリーはとてもシンプルで、よくこんなことが思いつけるなあという場面がいくつか出てくるけれど、ストーリーのシンプルさでとっつきにくいというわけでもなくスラスラ読めてしまう。
作中で出てくる小男、小馬、大男、大馬……帯の文句でかなり煽られているのでどうしてもそういう読み方をしてしまう。広大な大地で、ただひたすら雪という天候で理不尽な目に合う。村上春樹『1Q84』にでてくるリトル・ピープルだとか、凍りついた大男や最後に登場した人々など、色々と考えてしまう物語だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外
- 感想投稿日 : 2023年7月23日
- 読了日 : 2023年7月23日
- 本棚登録日 : 2023年7月23日
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