ヒロシマ・ノート (岩波新書 青版 563)

著者 :
  • 岩波書店 (1965年6月21日発売)
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感想 : 65
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戦後78年の2023年に読破。
これを読むまでは、抑止力のための核保有の考え方に賛同派でした。
しかし、これを読んで改めて感じたことは、抑止力といいながら、明らかに使用することが前提の核保有説であるということでした。
戦争を知らない世代の私は、はっきり言って原子力爆弾の惨さ、人間がもたらした醜悪さ、悲惨さの極みといったものを知らない、全く無知な人間でした。
ナチスのホロコーストは、歴史に語り継がれ、人々が忘れないように何度も映画化やメディアでとりあげられるのに、なぜ、広島長崎の原爆を克明に記した書籍や映画はメディアで取り上げられず(ときには残酷だといわれR指定もされるけれど、それこそ馬鹿げた話だ)、学校でもその意味を考えさせるよう、如実に教えないのか。
アメリカの圧力を感じずにはいられません。
私たちは、原爆を落とされてもアメリカを憎むことなく、ましてや敗戦して良かったのだ、原爆は落とされなければ、日本はもっと悲惨な道に突き進んでいたのだ、などと、どうしてそんな考えでいられたのか。戦争に負けても、アメリカを憎まない日本人の国民性に誇りまで感じていた、私はまったく無知で恥知らずな人間でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2023年1月29日
読了日 : 2023年1月29日
本棚登録日 : 2023年1月8日

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