少年時代の友情、淡い初恋、勧善懲悪の爽快感。
ド定番の時代もの。
物語はさくさく進み、続きがどうなるのかと気になって一気に読みました。
田圃道に滲む夕陽や、松林でけたたましく鳴く蝉の声。
実際に体験したことはないはずなのに、なぜか懐かしい郷愁におそわれる。
「高い空に、銀盤を嵌めたような月が光り、人影もない屋敷町の幅ひろい道を照らしていた」
文四郎に身の危険が迫っている夜の描写。銀盤のように冷たく感じる月の夜、という鋭く、どこか不穏な空気感が醸し出されている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月9日
- 読了日 : 2023年9月9日
- 本棚登録日 : 2023年9月3日
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