蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)

著者 :
  • 文藝春秋 (1991年7月10日発売)
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本棚登録 : 5125
感想 : 657
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少年時代の友情、淡い初恋、勧善懲悪の爽快感。
ド定番の時代もの。
物語はさくさく進み、続きがどうなるのかと気になって一気に読みました。

田圃道に滲む夕陽や、松林でけたたましく鳴く蝉の声。
実際に体験したことはないはずなのに、なぜか懐かしい郷愁におそわれる。

「高い空に、銀盤を嵌めたような月が光り、人影もない屋敷町の幅ひろい道を照らしていた」

文四郎に身の危険が迫っている夜の描写。銀盤のように冷たく感じる月の夜、という鋭く、どこか不穏な空気感が醸し出されている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月9日
読了日 : 2023年9月9日
本棚登録日 : 2023年9月3日

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