文句なし。素晴らしすぎてぞくぞくした。冒頭は婚約者を殺し、ブランドものにポルシェにペットのフェレットというアイテムを身に着けている玲緒奈視点で始まる。婚約者を連続で殺し、豪華な生活・・・、これはあの事件以来いくつかドラマにもなったりしたあのかたを思い浮かべる、こういう非常にロウな入りなんですが、玲緒奈が男の死に際に物語をせがむところから帯にある通り本当に抜けられなくなる。自分が何を読んでいるのかすら不確かになり、どこかで読み間違えてないか不安になる。けれど抜け出せない。そして、ここまですごい物語たちだから辻褄とか別に期待してなくて(放り出してももらってもかまわないと思って)、けれど最後ただ話に引っ張るだけのアイテム的なイベントとして見ていた冒頭部までがきれいにつながる。ジョルジュ・ペレックの「人生使用法」とドノソの「夜のみだらな鳥」を彷彿とさせる、本当に終わらないまま終わった物語だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2014年8月15日
- 読了日 : 2014年8月15日
- 本棚登録日 : 2014年8月15日
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