暁のヨナ 1 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社 (2010年1月19日発売)
4.14
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本棚登録 : 2285
感想 : 120

少年誌のような冒険活劇、姫という立場を下ろされ追われる身となる、武器を取るヒロインという要素に惹かれて購入しました。

女性向け作品の中には少女漫画の要素を残しつつ歴史物を描こうとするものと、歴史物のがもつ武器や格差という要素だけをもらって少女漫画的なものを描こうとするする作品があります。『暁のヨナ』は完全に後者です。
少女漫画では確かに珍しい、バトルシーンや流血描写の中にヒロインが置かれています。だからこそ私は、その一風変わった作風に惹かれて購入をしたのですが、蓋を開けてみれば少女漫画特有のハーレムものが顕在し、歴史物と呼ぶにはおこがましいジャンルとしての薄さでした。
ヒロインに想いを寄せる最強キャラにちやほやしてくれる旅のお供たち。城という恵まれた場所から追い出されたお姫様なのに、これまたヒロインを甘やかす場所を作って果たして本当に自分の甘さを欠点とし、自らを厳しくすることができるのでしょうか?

なまじ甘さを恥じとし、自立していく女を描こうとキャラを使って言わせてしまっているために、キャラ、ひいては作者の甘さが目立ちます。
描きたいのは身分差のある想い人、戦うお姫様、敵は初恋といったロマンスであり、ドン底から大きく成長していく少女が一番に描きたいのではないというのがよく分かりました。

いろいろ勿体無いと思ったがゆえに辛口となりましたが、期待して今後も買っていきます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2015年5月1日
読了日 : 2014年11月6日
本棚登録日 : 2014年11月6日

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