『巨鯨の海』で最終章に描かれた太地鯨組漁最大の海難事故「大背美流れ」を中心に太地鯨組最後の棟梁太地覚悟の生涯を描く巨編。
「大背美流れ」の起きた明治十一年と覚悟が初めて鯨漁に出た弘化元年からの物語が平行して描かれ、最後に時制が一致した時に登場する抹香鯨の姿が雄々しく哀しい。
著者の言い分が全てでは無いにしても、米国による開国の要求が鯨油を採るためだけの乱獲の基地として使うのが主眼であったとするならば、自分たちに必要なくなったからいきなり保護を訴えるのはいかにも欧米主義という感が否めない。
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- 感想投稿日 : 2016年1月31日
- 読了日 : 2016年1月31日
- 本棚登録日 : 2016年1月31日
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