本書は、NHK教育テレビにて2006年6月に放送された「NHK知るを楽しむ 人生の歩き方〜稲盛和夫 ど真剣に生きる」をもとに構成されています
2010年刊行
著者の経営哲学である「利他の心」をキーワードに、著者の半生を書き記した
・リーダーの条件
・挫折だらけの青春
・会社は誰のものか
・なんのために生きるのか
の4章構成となっています。
これまで著者の経営学についての書籍は読んでいたが、本書はそのベースとなる哲学についての本だと感じた
【引用】
本当にいい経営をしたいのなら、従業員の人たちを少しでも幸せにしてあげたい、社会に貢献したいといった、公明正大な大義名分をもつことが大事です。 (P16)
どんな汚れ仕事にも必ず高邁な意義があり、さらには限りない夢が広がっています。経営者がそれを描き出すことで、従業員は「自分たちはその意義に共鳴し、その夢を現実のものとするために、汚れ仕事を一手に引き受けているんだ」と気づき、経営者を信頼して懸命に働いてくれることでしょう。 (P26)
「努力に勝る天才なし」といわれるように、能力は努力すれば向上していく (P32)
「理念を愚直に守るもの」
理念を曲げるくらいなら、従業員ごと会社が潰れなければいけませんね。会社が理念を曲げてまで生き延びても、意味がないんです。 (P48)
「世の中の不公平を恨んだところで、人生がうまくいくわけではない」 (P62)
仕事は最初から面白いものではありえないし、好きな仕事につけることなどそうそうあるものではありません。いま目の前にある仕事を、自分から好きになる努力をしなければ、仕事の面白さなど永遠にわからないでしょう。 (P67)
(不況のとき、大抵の企業はあきらめムードに支配され、不況という嵐が通り過ぎるのを待つだけなので)だからこそ、不況のときにがんばる意味があるのです。周囲があきらめている中で孤軍奮闘、誰にも負けない努力を重ねれば、それがのちに大きな差となって現れるのです。 (P100)
資本の理論だけを振りかざしても、経営がうまくいくわけではありません。過半数の株式を握れば、法規上は会社を支配できても、社員の心まで支配することはできません。 (P106)
リーダーがもつべき人間性はまず謙虚であることだと思いますね。 (P112)
苦労するのは生きている証拠です。死んだら、そんな目にも遭わないのですから、いいじゃありませんか。災難に遭うのは、過去に作った業が消える時です。 (P125)
善きことを思い善きことを実践すれば、善きことを招来する。悪しきことを思い悪しきことをすれば、悪しき結果を招く。 (P131)
足ることを知らず、際限なく欲望を募らせ、財産、地位、名誉などを欲しがるのが人間の性です。しかし、そういうものをいくら手に入れても、決して満足することはできません。 (P145)
もしあなたがすばらしく美しい幸せな人生を送りたいと思われるなら、まずあなたの心を少しでも美しいものにしなさい。そうすれば、その心の反映として、あなたの人生も美しいもの、すばらしいものになっていくはずです。 (P152)
- 感想投稿日 : 2021年1月24日
- 読了日 : 2014年8月16日
- 本棚登録日 : 2013年11月1日
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