いやー、すごい本だった。
帯に「叙事詩」って言葉が使われてたんだけどいや本当にこれは一大叙事詩。限界育児のこともさることながら夫の石田さんへの愛憎入り混じった思いとか、あと途中から一子さんの好きな人まで出てきて、あっ不倫……不倫だ……と読んでるこっちが後ろめたい。そして書き下ろしの「誰そ彼」本当にすごかった。これを書ける、書こうと思ったその覚悟がすごい。
この本が出ることによって一子さんはものすごく失うものが大きいんじゃないだろうかと思ったけれど、失うものが大きいんじゃないかと思うものって大抵得るものも同じくらい大きいんですよね。これを一冊の本にした、できたのはまじで一子さんの人生の財産だと私は思う。誰だよお前って感じですけど。この本も実は金原ひとみが紹介していて、それで興味を持って購入したものだったのだけど、金原ひとみがシンパシーを感じるなら私にとってはハズレがないよな。
本当に読んで良かった本でした。世の中の日記かくあるべしとまでは思わないけど、でも全てを曝け出そうともがく文章が私は好きです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2023年12月30日
- 読了日 : 2023年12月30日
- 本棚登録日 : 2023年12月2日
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