日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所 (新潮文庫)

制作 : 池内紀  松田哲夫  川本三郎 
  • 新潮社 (2015年5月28日発売)
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感想 : 13
4

第10巻を突然レビュー!
本当は第1巻から順番に行くべきなんだけど、そして第1巻は確か読んだはずだけど、まあ細かいことは気にしないでおく。
ただ、読みたい作家がたくさんいたから、それだけ。

小川洋子、吉田修一、森見登美彦は読んだことのある話でした。

一番良かったのは木内昇「てのひら」。
いじらしいおばあちゃんモノに弱い……。
おにぎりとソーセージをどうだ!と見せちゃうおばあちゃん(主人公にとってはお母さん)に、心奪われる。

三浦しをん「冬の一等星」も好き。
誘拐された女の子、という話を最後あんなにじんわりまとめてしまう所が素敵。

辻村深月「仁志野町の泥棒」は、多分忘れられない話になると思う。
かつて小学生時代の、友達の母親の悪事。
そして、友達自身の悪事。
それらを知りながら、町としては平穏無事を装う大人たち。
なんだか、見てはいけない場面を一緒に見ているような辛さを、まるで他愛なく放り出されてしまうようなクライマックス。
いや。上手いな。

新潮社が「名作」として数多ある中から選んだだけあって、どれもハッとする面白さ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2016年
感想投稿日 : 2016年5月4日
読了日 : 2016年5月4日
本棚登録日 : 2016年5月4日

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